歯へのフッ素コーティング塗布効果はどう?歯医者の目線から分かりやすく解説

歯のイラスト

東京・品川五反田からすぐの五反田歯科です。

梅雨が明けて、いよいよ夏本場ですね。

今日は皆さんに「歯へのフッ素コーティングは効果ある?歯医者が解説!」ということで歯医者の目線から解説したいと思います。

【この記事の執筆者】
五反田歯科
院長

五反田歯科 院長の田島です。
五反田歯科は2020年8月にリニューアルオープンした歯科医院です。不安なことや心配なこと、疑問に思うことを遠慮なくお話して頂けるような「通いやすい」歯医者さんであることを一番に考えています。

フッ素とは?

幸せな女の子の花のガーデン - tooth ストックフォトと画像

フッ素はどこにでもある身近な物質

フッ素はナトリウムや鉄、カルシウムなどと同じように体内に存在していて、野菜やお肉、魚介類や水道水、牛乳などのほとんどの食品に含まれている物質です。

フッ素の存在で虫歯に強い歯になれる

そのフッ素が歯の主成分である「ハイドロキシアパタイト」に作用すると、「フルオロアパタイト」という物質を生成します。

この「フルオロアパタイト」によって、酸に溶けにくく虫歯になりにくい歯へと変わっていきます。

さらにフッ素には歯垢(プラーク)の中にいる細菌が酸を作るのを抑制する作用もあります。

もう少し詳しく解説していきます。

フッ素コーティングとは?

フッ素を歯に塗布することはメリットがある

ライトブルーアブストラクトベクトルワイヤーフレームポリゴンメッシュ歯と反射、4分の3の正面角ビュー - tooth点のイラスト素材/クリップアート素材/マンガ素材/アイコン素材

フッ素コーティングとは、文字通り歯の表面をフッ素でコーティングすることをいいます。

ではなぜ歯の表面にフッ素を塗布してコーティングする必要があるのでしょうか?

フッ素にはエナメル質の修復促進・強化や、お口の中にいる菌の働きを弱め虫歯になる
可能性を低くする作用
があります。

歯の脱灰と再石灰化とは?

再石灰化で歯は強くなる

TVのCMなどで脱灰もしくは再石灰化という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

脱灰とは歯が壊れていく、溶けるようなイメージでしょうか。

再石灰化とは脱灰した歯が修復されることです。

実はお口の中はつねにこの脱灰と再石灰化を繰り返しています。

古い角質から新しい角質に変わる皮膚のターンオーバーに近いかと思います。

この脱灰と再石灰化のバランスが崩れると虫歯になりやすくなります。

逆に積極的にフッ素を歯に塗布してコーティングすることで再石灰化を促進することで歯の表面が強くなり、脱灰しにくくなることが分かっています。

フッ素を歯に塗布したことで得られる効果

ここでは具体的にフッ素を歯に塗布したことで得られる効果について見ていきましょう。

1.細菌から歯を守る効果

歯科用機器  - tooth ストックフォトと画像

フッ素コーティングを歯に塗布することで、歯の表面を酸に溶けにくい(脱灰しにくい)状態にしてくれ、虫歯菌や歯周病菌から歯を守ってくれます。

歯の表面が酸で溶けてしまうと、どんどん細菌が歯の中に入って行ってしまいます。

フッ素でガードの固い強いバリアを歯に作ることで、虫歯菌などにやられないように守ってくれます。

2.虫歯菌の働きを弱める

健康な歯を持っている! - tooth ストックフォトと画像

フッ素は酸から歯を守るためにガードするだけではなく、虫歯菌の働きを弱めて発生させる酸の量を抑えてくれます。

その結果、虫歯になりにくい環境を作ることになり虫歯予防するうえで重要なポイントとなります。

虫歯のでき方

フッ素と虫歯の働き
虫歯の進行状況フッ素の働き
①虫歯菌が酸を発生させて歯を溶かす菌の働きを弱める
②歯が破壊される歯の質を強化
③虫歯になるエナメル質の修復を促進
虫歯とフッ素の働き

この3つがフッ素の主な働きになります。

乳幼児・お子さん・大人の歯へのフッ素塗布効果

乳幼児・お子さんの歯にフッ素を塗布すると?

生えてきたばかりの乳歯や、生え変わったばかりの永久歯の表面は柔らかくとても虫歯になりやすい無防備な状態です。

そのため、フッ素を塗布してコーティングすることで虫歯の予防効果を高め、歯の再石灰化を促して丈夫な歯にする必要があります。

大人の歯にもフッ素塗布の効果がある?

女性の顔クローズアップ - tooth ストックフォトと画像

意外かもしれませんが、永久歯が生えそろっている大人の方にもフッ素を塗布する必要がある場合は多いです。

歯周病や加齢が原因で歯茎が下がっていくと、歯の根元の部分が露出してしまいます。

もともと歯茎にカバーされていたこの根元の部分はとても繊細なのでしっかりケアしないと虫歯や歯周病を引き起こしたり、歯が抜けてしまうこともあります。

歯茎が下がると磨き残しが多くなり、以前よりも歯が長くなったように見えてきます。

そんな状態になってしまった場合に虫歯や歯周病を予防するのにフッ素を塗布してコーティングすることはすごく効果的です。

ご自宅でのケア…フッ素を歯に塗布したら?

患者にx線について説明する女性歯科医師 - tooth ストックフォトと画像

歯の再石灰化は毎日のケアがとても大切になってきます。

フッ素は塗布してから時間がたつとコーティングがだんだん弱くなっていくので、定期的にフッ素を歯に塗布してコーティングする必要があります。

ご自宅でのフッ素ケアは歯医者さんで扱うものよりもかなり低濃度の歯磨剤を使うことになりますのでコーティング効果としては弱くなります。

フッ素の効果をより高めるためには、なるべく長い時間お口の中にフッ素が残っていた方が良いのでジェルタイプのフッ素入り歯磨剤がおすすめです。

最後に

五反田歯科ではプロによるフッ素塗布コーティングを行っております。

また、ご自宅での毎日のケアを行う上での疑問点や不安に思っていることにもお答えいたします。

どんな些細な事でも構いませんのでぜひお気軽にご相談いただけたらと思います。